蒸気爆発(読み)じょうきばくはつ(その他表記)vapor explosion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蒸気爆発」の意味・わかりやすい解説

蒸気爆発
じょうきばくはつ
vapor explosion

過熱液体の生成に基づく急激な蒸発現象を伴う爆発。一般にボイラはその内部に高圧水蒸気が存在し,缶内の熱水は水蒸気と平衡を保っている。缶体に割れ目ができると高圧水蒸気は一時に噴出し,気液間の圧力平衡は破れて熱水は急激に蒸発し,その容積は数百倍に膨張して激しい爆発現象を示す。金属の製錬,溶解などの高熱作業における溶融金属またはスラッグが水と接触したときも,瞬間的に過熱水が生成し蒸気爆発を生じることがある。液化プロパン,液化アンモニア,酸化エチレンエーテルエタノールベンゼンなど,水以外でも高圧下で液状を保つ物質は,特定の条件下で蒸気爆発を生じることがある。 LNG (液化天然ガス) が水上に流出すると,LNGは水温により急激に蒸発して蒸気爆発を生じることがある。この爆発は水温 40~90℃,メタン濃度 40%以下,窒素濃度4%以上のとき生じやすい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android