薄磯貝塚(読み)うすいそかいづか

日本歴史地名大系 「薄磯貝塚」の解説

薄磯貝塚
うすいそかいづか

[現在地名]いわき市平薄磯 三反田

夏井なつい川と藤原ふじわら川によって形成された沖積低地のほぼ南端に位置し、海岸近くまで迫る丘陵先端の台地周辺に七地点の貝層の分布が確認されている。昭和五七年(一九八二)いちばん規模の大きいA地点の緊急調査が行われ、縄文時代中期から弥生時代中期までの遺物が出土した。主体は縄文時代晩期で、釣針や銛頭、鹿角製斧状製品などの多数の骨角器が出土している。魚類ではマダイが突出しており、クロダイマグロなども多く、外洋性の漁労活動が行われていたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android