山川 日本史小辞典 改訂新版 「薬師寺吉祥天像」の解説
薬師寺 吉祥天像
やくしじきちじょうてんぞう
奈良後期,正倉院鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)と並ぶ天平美人像の代表的遺品。峨眉豊頬(がびほうきょう)という盛唐期の美人像に似るが,左手に吉祥天の持物である宝珠をもつ。奈良時代に重んじられた「金光明経」「金光明最勝王経」中に説かれ,吉祥悔過会(けかえ)本尊として信仰された。本図はその本尊像とする説,最勝会(さいしょうえ)本尊として釈迦を中心に描かれた仏画の一部が遺存したとする説とがある。縦53.3cm,横32.0cm。国宝。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報