藁科川(読み)わらしながわ

日本歴史地名大系 「藁科川」の解説

藁科川
わらしながわ

静岡市と榛原はいばら本川根ほんかわね町との境界をなすななッ峰(一五三三・二メートル)に源を発する一級河川。静岡市羽鳥はとりまきの間で安倍あべ川に合流する。安倍川水系最大の支流で、流長二九・二キロ。おもな支流には天狗石てんぐいし(一三六六・二メートル)に発ししまで合流する崩野くずれの川、諸子沢もろこざわで合流する諸子沢川、さかかみで合流する杉尾すぎお川、突先とつさき(一〇二一・七メートル)に発して鍵穴かぎあなで合流する坂本さかもと川、藤枝市境の清笹きよささ峠に発し久能尾きゆうのおを経て昼居渡ひるいどで合流する黒俣くろまた川、水見色みずみいろで合流する水見色川、新間しんまで合流する新間谷しんまや川、羽鳥で合流する久住谷くじゆうや川などがある。源流部の大間おおまに落差一三五メートルの福養ふくようの滝がある。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)一〇月二八日条によると、源頼朝の奥州平定に参陣しようとした安芸国御家人葉山介宗頼が「藁科河辺」より引返して帰国している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の藁科川の言及

【安倍川】より

…幹川流路延長51km,全流域面積567km2。おもな支流には上流から安倍大谷(おおや)川,安倍中河内川,足久保川,藁科(わらしな)川,丸子川などがある。本流が流域の東寄りに偏っているため,これらの支流はいずれも北西(右岸)側から流入しており,北東(左岸)側から流入する支流は短小な急流に限られる。…

※「藁科川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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