榛原(読み)ハリハラ

デジタル大辞泉 「榛原」の意味・読み・例文・類語

はり‐はら【×榛原】

ハンノキの生えている原。
引馬野ひくまのににほふ―」〈五七

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精選版 日本国語大辞典 「榛原」の意味・読み・例文・類語

はり‐はら【榛原】

  1. 〘 名詞 〙(はり)の生えている原。
    1. [初出の実例]「引馬野ににほふ榛原(はりはら)入り乱れ衣に匂はせ旅のしるしに」(出典:万葉集(8C後)一・五七)

はいばら【榛原】

  1. 静岡県の中央部の郡。大井川西岸にあり、北は長野県と接し、南は駿河湾遠州灘に面する。古くは蓁原と書いた。

はり‐わら‥はら【榛原】

  1. 〘 名詞 〙はりはら(榛原)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「榛原」の意味・わかりやすい解説

榛原(奈良県)
はいばら

奈良県中東部、宇陀郡(うだぐん)にあった旧町名(榛原町(ちょう))。現在は宇陀市中部を占める地域。旧榛原町は、1893年(明治26)町制施行。1954年(昭和29)伊那佐(いなさ)村と桜井町の一部、1955年内牧(うちまき)村を編入。2006年(平成18)大宇陀菟田野(うたの)2町および室生(むろう)村と合併して市制施行、宇陀市となった。中心集落の萩原(はぎはら)(古くは「はいばら」とも)は大和(やまと)と伊賀・伊勢(いせ)を結ぶ初瀬(はせ)街道(現、国道165号)の宿場町として発達、現在も近畿日本鉄道大阪線、国道369号、370号が交差する。北部は大和高原の南端を占め、室生火山群に属する額井(ぬかい)岳(大和(やまと)富士)、鳥見(とりみ)山などがある。中央部を宇陀川が北東流し、萩原付近で芳野(ほうの)川、内牧川を合する。スギ、ヒノキなどの林野が町域の69%を占め、林業が行われ、近郊農業も盛んである。近年は大阪のベッドタウンとして住宅地化も著しい。宗祐(そうゆう)寺、戒長(かいちょう)寺、悟真(ごしん)寺、仏隆(ぶつりゅう)寺は国指定重要文化財を蔵する。八滝(やたき)にある文祢麻呂墓(ふみねまろのはか)は国の史跡で、ここからの出土品は国宝に指定され、東京国立博物館に収蔵されている。額井岳一帯は室生赤目青山(あかめあおやま)国定公園域で、山麓(さんろく)を東海自然歩道が通じている。

[菊地一郎]

『『榛原町史』(1959・榛原町)』


榛原(静岡県)
はいばら

静岡県中南部、榛原郡にあった旧町名(榛原町(ちょう))。現在は牧之原(まきのはら)市の北部を占める一地区。旧榛原町は1955年(昭和30)川崎町と勝間田(かつまた)、坂部の2村が合併して改称。2005年(平成17)相良(さがら)町と合併、市制を施行して牧之原市となった。北・西・南の三方を牧ノ原に囲まれ、茶業を主産業とする。東は駿河(するが)湾に面し、湾岸は3列の浜堤列の海岸平野で、メロンレタスなどの施設園芸が盛ん。国道150号が駿河湾沿いに通じる。計器工場も進出している。静波(しずなみ)海岸は海水浴場として知られ、観光客も多い。

[川崎文昭]

『『榛原町史』全3巻(1985~1991・榛原町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「榛原」の意味・わかりやすい解説

榛原
はいばら

奈良県北東部,宇陀市西部の旧町域。宇陀川上流域にある。 1893年町制。 1954年伊那佐村,1955年内牧村をそれぞれ編入。 2006年大宇陀町,菟田野町,室生村と合体して宇陀市となる。中心集落の萩原は,かつては「はいばら」ともいい,伊勢街道の宿場町として発展。野菜の抑制栽培,ダリア球根など花卉栽培も行なわれる。山地では良質のスギ,ヒノキを産する。北部の額井岳山麓に山部赤人の墓がある。萩原の宗祐寺は国指定重要文化財の絵画,彫刻を有し,松尾芭蕉の句碑がある。一部は室生赤目青山国定公園に属する。

榛原
はいばら

静岡県南部,牧之原市北部の旧町域。駿河湾に臨む。 1955年川崎町と勝間田村,坂部村の2村が合体して榛原町が発足。 2005年相良町と合体して牧之原市となった。茶の産地として名高い牧之原台地の東端部を占め,勝間田川の下流域に沖積地が開ける。中心集落の静波,細江は江戸時代に勝間田川の河港として栄え,掛川藩の御城米の積出港だった。台地周辺ではチャ (茶) の栽培が行なわれ,製茶業も盛ん。海岸の砂地ではダイコン,レタスなどを産する。静波海岸は砂浜と遠浅で知られる海水浴場。一部は御前崎遠州灘県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「榛原」の意味・わかりやすい解説

榛原[町]【はいばら】

静岡県南部,駿河湾に臨む榛原郡の旧町。牧ノ原の一部を占め,茶の栽培,取引が盛ん。ミカン,スイカ,ダイコンも産する。海岸は風光にすぐれ,海水浴場がある。2005年10月,榛原郡相良町と合併し市制,牧之原市となる。53.36km2。2万5095人(2003)。

榛原[町]【はいばら】

奈良県北部,宇陀川上流域の山地を占める宇陀郡の旧町。主集落は古くから伊勢街道の宿場町として発達,近鉄大阪線が通じる。良質のスギ,ヒノキを多産,ナス,キュウリなどの野菜,花木,シイタケの栽培が盛ん。2006年1月,宇陀郡大宇陀町,菟田野町,室生村と合併し市制,宇陀市となる。64.41km2。1万9404人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「榛原」の意味・わかりやすい解説

榛原(静岡) (はいばら)


榛原(奈良) (はいばら)

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世界大百科事典(旧版)内の榛原の言及

【墨坂】より

…奈良県榛原町西方の古代地名。《日本書紀》の神武即位前紀に地名説話がみえ,大和の中心部へ天皇の軍隊が進攻するのを阻止するために要路の一部に焃炭(おこしずみ)が置かれた所に墨坂の名が起こったとある。…

※「榛原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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