虎の頭(読み)トラノカシラ

デジタル大辞泉 「虎の頭」の意味・読み・例文・類語

とら‐の‐かしら【虎の頭】

虎の頭の形に模した作り物。それを煮るまねをした湯で産湯を使わせると、子供けがれを払い丈夫に育つといわれた。後世犬張り子はこれに倣ったものといわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「虎の頭」の意味・読み・例文・類語

とら【虎】 の 頭(かしら)

  1. 虎の頭部。また、虎の頭部に似せて作ったもの。昔、それを煮る真似をした湯で産湯(うぶゆ)をつかわせれば、その子の邪気を払い生涯無病で過ごせるという俗信があった。
    1. [初出の実例]「降誕之後〈略〉犀角一株、虎頭一頭、置枕上為護」(出典:九暦‐逸文・天暦四年(950)五月二四日)

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世界大百科事典(旧版)内の虎の頭の言及

【トラ(虎)】より

…【村下 重夫】
[医術,呪術]
 《紫式部日記》には,中宮彰子が出産した皇子の〈御湯殿の儀式〉(産湯)の際,〈虎のかしら宮の内侍とりて御さきにまゐる〉と記されている。中国隋代の《産経》に〈初湯の際,虎の頭を湯の中に漬して沐浴すると,児を無病にする〉とある。紫式部は〈夜さりの御湯殿とても,さまばかりしきりてまゐる〉と書いているので,当時すでに形式的なものになっていたと思われる。…

※「虎の頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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