犬の形姿を模した紙製の置物。古くは御伽犬(おとぎいぬ),宿直犬(とのいいぬ),犬筥(いぬばこ)ともいった。室町時代以降,公家や武家の間では,出産にあたって産室に御伽犬または犬筥といって筥形の張子の犬を置いて,出産の守りとする風があった。はじめは筥形で中に守札などを入れ,顔も小児に似せたものであった。庶民の間には江戸時代後期に普及したらしく,嫁入道具の一つに加えられ,雛壇にも飾られた。犬張子を産の守りとする風は,犬が多産でお産が軽い動物と信じられ,かつ邪霊や魔をはらう呪力があると信じられたからであろう。犬張子は,穢れをはらう形代(かたしろ)の一種ともいえるであろう。東京では,初宮参りの際に親類縁者が犬張子を贈る風習がある。犬張子は今では戌(いぬ)年の縁起物や郷土玩具とされ,関西では東犬(あずまいぬ)とよんでいる。
執筆者:菊池 健策
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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