犬張(り)子(読み)イヌハリコ

デジタル大辞泉の解説

いぬ‐はりこ【犬張(り)子】

犬をかたどった張り子のおもちゃ。子供の魔よけとして、宮参りの祝い物にもする。→犬箱

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

犬張子【いぬはりこ】

犬の立姿にかたどった紙製の置物。小児のそばに置いて魔除(まよけ)とし,関東では宮参りの時親類知人が贈物にする。関西では東犬(あずまいぬ)という。江戸前期までは犬の伏した姿を模した箔置(はくおき)極彩色の容器で,犬箱ともいった。安産のまじないで,犬張子にかぶせた産着を小児に着せ,箱の中には護符,畳紙(たとう),白粉(おしろい)などを入れる。
→関連項目張子細工

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

いぬはりこ【犬張子】

犬の形姿を模した紙製の置物。古くは御伽犬(おとぎいぬ),宿直犬(とのいいぬ),犬筥(いぬばこ)ともいった。室町時代以降,公家や武家の間では,出産にあたって産室に御伽犬または犬筥といって筥形の張子の犬を置いて,出産の守りとする風があった。はじめは筥形で中に守札などを入れ,顔も小児に似せたものであった。庶民の間には江戸時代後期に普及したらしく,嫁入道具の一つに加えられ,雛壇にも飾られた。犬張子を産の守りとする風は,犬が多産でお産が軽い動物と信じられ,かつ邪霊や魔をはらう呪力があると信じられたからであろう。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いぬ‐はりこ【犬張子】

〘名〙 犬の形状を模した紙製の置き物。邪霊や魔を祓う効能を信じて寝所に置いたので、御伽犬(おとぎいぬ)、宿直犬(とのいいぬ)ともいった。御帳台(みちょうだい)の獅子、狛犬(こまいぬ)にならって一対とし、婚礼や小児の誕生・宮参りの祝儀の贈り物とされた。古くは箱形で「犬箱」とも呼ばれ、上部は蓋になっており、花嫁は、この中に化粧の道具や守り札などを入れた。古くは伏した姿で立ち姿のものは、江戸中期以降作られ、顔は、はじめ小児に似せたが、近世は顔も体も犬に似せるようになった。
※御湯殿上日記‐文明九年(1477)二月一四日「あすの御ほうもつ〈略〉女はうたちよりも、いぬはりこふせいまいる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

寒暖差アレルギー

寒暖の差により鼻の奥の毛細血管が詰まり、鼻の粘膜が腫れることで起きる鼻炎。医学的には血管運動性鼻炎の一種とされる。多くの場合秋から冬にかけて1日の寒暖差が大きい時期や冷房による急な温度変化などにより起...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android