虫生菌(読み)ちゅうせいきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「虫生菌」の意味・わかりやすい解説

虫生菌
ちゅうせいきん

節足動物の成虫幼虫に寄生して菌糸キノコ冬虫夏草(とうちゅうかそう))を生ずる菌。子嚢(しのう)菌類ではサナギタケセミタケなどのほかに、甲虫類の体表に微小子実体を生ずるラブルベニア類がある。不完全菌類にも、クモタケのようなキノコを生ずるものと、カイコにつくビャクキョウビョウキンなどがある。接合菌類にはハエに寄生するハエカビ類のほかに、節足動物の腸管内壁に着生するトリコミケス類があり、なかには、肛門(こうもん)から菌糸の房がはみだすものもある。

[寺川博典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android