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冬虫夏草 とうちゅうかそう vegetative wasps; plant worms

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

冬虫夏草
とうちゅうかそう
vegetative wasps; plant worms

子嚢菌類バッカクキン目の虫生菌類の一群をさす。おもな属はノムシタケ属 Cordycepsとも呼ばれる。サナギタケ (蛹茸) ウスキサナギタケ (淡黄蛹茸) などはガ類の蛹につき,セミタケ (蝉茸) アブラゼミタケ (C. nipponica) ,オオセミタケ (C. heteropoda) などはセミ類の幼虫に,アリタケ (C. japonensis) ,ツノアリタケ (C. unilateralis var. clavata) はアリ類の成虫に,ハチタケ (C. sphecocephala) ,トガリスズメバチタケ (C. oxycephala) はハチ類に,アワフキムシタケ (C. tricentri) はアワフキムシに,ミミカキタケ (耳掻茸) カメムシに,ケラタケ (C. gryllotalpae) はケラに,オニグモタケ (C. arachneicola) はクモ類に寄生する。

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デジタル大辞泉の解説

とうちゅう‐かそう〔‐カサウ〕【冬虫夏草】

地中にいる昆虫に子嚢菌(しのうきん)などが寄生し、地上にキノコ子実体(しじつたい))を生じたもの。セミタケアリタケ・クモタケなど。冬は虫であるが夏には草に変わるという意からの名で、中国ではヤガの幼虫に生じるものを薬とする。

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百科事典マイペディアの解説

冬虫夏草【とうちゅうかそう】

菌類のうちで虫に寄生していろいろな形の子実体(キノコ)をつくる菌の総称。昔は菌類と虫を同一体とみなし,冬は虫で夏に草になるという意味の中国名に基づく。子嚢菌類バッカクキン目に属し,セミ,アリ,ハチ,カメムシ,甲虫類の幼虫や成虫の体内に菌糸を充満,外に棍棒(こんぼう)状,角状,糸状等の子実体をつくり,その表面に被子器をつけ,無数の胞子を生ずる。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうちゅうかそう【冬虫夏草 vegetative wasp】

虫に寄生した菌類が虫からキノコを生やしたもの。昔は虫と菌類を同一体と考え,冬は虫の姿をしていて夏は変じて草となると信じられていた。中国原産の菌類が芋虫に生えたものに,最初にC.sinensis Sacc.と学名がつけられた。現在では,子囊菌類バッカクキン目Cordyceps属の昆虫寄生菌に対する総称となっている。 冬虫夏草の菌の生活とキノコは次のようにしてできる。まず,昆虫(幼虫,成虫)やクモなどの体内に入った菌は菌糸をのばして生長し,やがて虫の体内を完全に占領する。

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大辞林 第三版の解説

とうちゅうかそう【冬虫夏草】

子囊菌しのうきん類のきのこの一群。土中の昆虫類・クモ類に寄生した菌糸から地上に子実体を作る。セミタケやサナギタケなどがあり、薬用とされる。冬は虫であったものが夏には草となる意から名付けられたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

冬虫夏草
とうちゅうかそう

この語には三つの意味があるため、それぞれ順を追って説明する。(1)中国の四川(しせん)、雲南、チベットなどに産する鱗翅(りんし)目ヤガ科のガの幼虫の頭部から生ずる棍棒(こんぼう)状の子実体(キノコ)を、虫体とともにとって乾燥した生薬(しょうやく)。不老長生の精力剤として珍重された。精を補い、髄を益し、肺を保ち、腎(じん)を益し、血を止め、痰(たん)を化し、癆嗽(ろうそう)(咳(せき)込み)を止めるという。このキノコはノムシタケ属の一種Cordyceps sinensisである。夏季に胞子から生じた発芽管がガ、とくに冬虫夏草ガHepialus armoticanusの幼虫に寄生し、土に潜った幼虫は、やがて死んで体内が菌核化する。次の夏季に、これからキノコが生じてくる。名の由来は、このキノコを草とみたことによる。(2)虫生菌のうち、昆虫類、クモ形類に寄生して著しい子実体(キノコ)を形成する菌類。この菌類には子嚢(しのう)菌類中の核菌類バッカクキン目のノムシタケ属(コルジセプス属)に属するものが多い。キノコの形、大きさ、色はさまざまである。宿主の生活の場や習性によって、地上や落枝上、落ち葉間、コケ類の間、樹皮下などでみられる。子実体は、一般に頭部と柄(え)からなっており、頭部の表層には多数の被子器が一つの層をなして並んでいる。各被子器は、造嚢器と造精器の接合、あるいは造嚢器の単為発生を経て形成され、形はとっくり状で、その口を外に開き、その内底には子嚢が一つの層をなして形成される。各子嚢は円柱形で、先端に微小な頂孔がある。子嚢は成熟すると長く伸び、その先端部が被子器の口から突き出て、頂孔から糸状の子嚢胞子8個を一つずつ射出する。空(から)になった子嚢は収縮して崩壊し、次の子嚢が伸びる。子嚢胞子は多室になっているが、のちにばらばらに分離する。代表種には、ハチタケ、アリタケ、アワフキムシタケ、カメムシタケ(ミミカキタケ)、ガの幼虫に生ずるサナギタケなどがある。
 冬虫夏草のなかには、被子器を形成しないで、無数の粉状分生子を表面に生ずる子実体もある。ツクツクボウシタケは樹枝状に分かれた枝が白粉状の分生子で覆われ、トタテグモに生ずるクモタケは、棍棒状の長い頭部が淡紫紅色の粉状分生子で覆われる。これらの分生子型(不完全型)子実体を生ずるものは、不完全菌類のクモタケ属(イサリア属)に含まれる。(3)虫生菌の子実体をキノコに限定せず、また、宿主をもっと広義に解釈した菌類。クモ類の胸部・腹部の表面に菌糸層をつくり、その表面に卵形の被子器を密生するコエダクモタケ(トルビエラ属)や地下生子嚢菌類ツチダンゴ属の球状子実体から地上数センチの子実体を生ずるハナヤスリタケ(ノムシタケ属)がこれに含まれる。[寺川博典]
『清水大典著『冬虫夏草』(1979・ニュー・サイエンス社)』

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