蚊野郷
かのごう
「和名抄」は諸本とも訓を欠くが、「延喜式」神名帳に記す愛知郡三座の一つ軽野神社の訓に古本はカルノとともにカノがあり、同社の鎮座する秦荘町南部の宇曾川流域には蚊野・蚊野外・上蚊野などの地名を残すので、訓はカノで、所在地もこの地域とみてよいと考えられる。ただし社名はカルノとよむ。天平宝字六年(七六二)五月一日の近江国符案(正倉院文書)によれば、「愛智郡蛟野郷」にある寺封米を造石山寺所に送ったという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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