普及版 字通 「蚩」の読み・字形・画数・意味
蚩
10画
[字訓] むし・おろか・あなどる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(し)。は之の初形。〔説文〕十三上に「蟲なり」という。古い神話にみえる蚩尤(しゆう)の名のほかには、蚩鄙・蚩愚のように痴愚の意に用いる。また〔詩、衛風、氓〕「氓(ばう)の蚩蚩たる 布をきて絲を貿(か)ふ」のように、軽薄なさまをいう。
[訓義]
1. むし、むしの名。
2. おろか、いやしい。
3. あなどる、かろんずる。
4. みだれる、もとる、みにくい。
5. 嗤と通じ、わらう、たわむれる。
6. 豸(ち)と通じ、はうようにゆく。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕蚩 ムシノナ・ワラフ・アザケル・オビユ・オロカナリ・ミニクシ・アナヅル・ワヅラフ/蚩々オロカナリ・ソシル 〔字鏡〕蚩 ワヅラフ・アザケル・ミニクシ・アサムク・ワラフ・カギリ・アナヅル 〔字鏡集〕蚩 ムシノユク・ソシル
[声系]
〔説文〕に蚩声として二字、〔玉〕に嗤を収め「笑ふ皃なり」とする。嗤は蚩の声義を承けるものであろう。
[熟語]
蚩悪▶・蚩▶・蚩旗▶・蚩戯▶・蚩▶・蚩眩▶・蚩蚩▶・蚩者▶・蚩笑▶・蚩辱▶・蚩拙▶・蚩痴▶・蚩薄▶・蚩鄙▶・蚩尾▶・蚩侮▶・蚩▶・蚩尤▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報