蛤刃(読み)ハマグリバ

精選版 日本国語大辞典 「蛤刃」の意味・読み・例文・類語

はまぐり‐ば【蛤刃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 磨製石斧の刃部の一形態。蛤の形に類似しているところからの名。縄文中期の乳棒状石斧、彌生前期の大型石斧などにみられる。
  3. 切物の鎬(しのぎ)と刃との間をまっすぐに鋭くとがないで曲線をもたせてとぎあげた刃。はまぐり。丸刃
    1. [初出の実例]「鐔(つば)本三尺計をいて蛤歯(ハマグリバ)に掻合せ」(出典太平記(14C後)三二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の蛤刃の言及

【石斧】より

…この区別が斧の分類で第一義的な役割を果たさないことは,後述の通りである。側面観で刃の面が一直線をなす刃を切刃(きりば),まるみをもつ刃を蛤刃(はまぐりば)と称する。一方が蛤刃で,他方が切刃あるいはくぼんだ形状をなすものは,円鑿形石斧(まるのみがたせきふ)と呼ぶ。…

【刃物】より

…しかし考古学では,刃と直交方向の断面で,刃の両面が相称をなせば両刃,非相称であれば片刃とする呼び分けを行っている。この断面が直線をなせば切刃(きりば)と呼び,丸みをもつ刃は蛤刃(はまぐりば)と呼ぶ。 刃物を材料で分類すると石,青銅,鉄に大別される。…

※「蛤刃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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