蝦夷地順廻日記(読み)えぞちじゆんかいにつき

日本歴史地名大系 「蝦夷地順廻日記」の解説

蝦夷地順廻日記
えぞちじゆんかいにつき

川地経延著

成立 安政四年

解説 安政四年に箱館奉行の蝦夷島・カラフトの周回見分に参加した信州高遠藩士の旅中日記。閏五月二三日箱館を出立し長万部室蘭勇払を経由して、石狩からは船で増毛天塩宗谷に立寄りカラフトの白主へ渡海、六月二〇日ロシア船のナヨロ到来(クリミヤ戦争後の南カラフト進出の始まり)の情報に接するまでのことを家兄宛に日記体で報じた書簡。途中の蝦夷地の状況やアイヌのことなどを簡潔ながら的確に記述している。筆者の同行者は不明であるが、カラフトよりは先行の箱館奉行堀織部の東蝦夷地周回に随行して九月下旬箱館に帰り、奉行とともに江戸へ上る予定と記す。

活字本 昭和一七年私家版「髯塚」

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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