蟄す(読み)チッス

デジタル大辞泉 「蟄す」の意味・読み・例文・類語

ちっ・す【×蟄す】

[動サ変]
冬に虫が地中にこもる。
潜竜せんりょう三冬に―・して」〈太平記・四〉
世を逃れ閉じこもる。ひきこもる。
「しばらくここに―・すと言へども」〈読・弓張月・後〉

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精選版 日本国語大辞典 「蟄す」の意味・読み・例文・類語

ちっ‐・す【蟄】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙
  2. 虫が冬になって地中にこもる。
    1. [初出の実例]「潜龍は三冬に蟄(チッ)して、一陽来復の天を待つ」(出典:太平記(14C後)四)
  3. 世をのがれてひきこもる。隠れ住む。隠退する。
    1. [初出の実例]「身を蟄(チッ)し、時節を窺ふ」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)六立)

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