普及版 字通 「蠱(漢字)」の読み・字形・画数・意味
蠱
23画
[字訓] まじない・まどわす・こびる
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
蟲(虫)(ちゆう)+皿。〔説文〕十三下に「腹中の蟲なり」とするが、蠱は人を惑わす呪儀であるから、〔段注〕に「腹、蟲に中(あた)るなり」とよむべしという。卜辞に「貞(と)ふ。王の咼(禍)あるは、隹(こ)れ蠱ならざるか」とあり、巫女がその呪儀を行っていた。後世の媚蠱(びこ)左道といわれるものがそれである。漢代には巫蠱の変とよばれるような事件が頻発している。蠱法は、五月五日に、百虫を一器の中に入れて相食らわしめ、最後に残ったものにその呪能があるとされた。また人畜の類を埋めて呪詛する法があり、埋蠱(まいこ)という。蠱霊には、自由に風行するものもあると考えられ、風蠱という。一般の虫類にも禍をなすものがあり、〔周礼、秋官、庶氏〕に、「毒蠱を除くことを掌る」とみえる。
[訓義]
1. まじない、まじないに用いる虫、まじもの、まじわざ。
2. まどわす、まどう、みだす。
3. こびる、うるわしい。
4. わざわい、むしばむ、毒気。
5. 腹の病。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕蠱 マドフ・ウタガフ・ミダル・タブロカス・マジワサ・ノロフ・ヤブル 〔字鏡集〕蠱 ツカフ・オモフ・マジナフ・タブロカス・トク・ヤブル・マサシ・マジワザ・コト・ミダル・マドフ・ミサヲ
[熟語]
蠱▶・蠱壊▶・蠱気▶・蠱偽▶・蠱獄▶・蠱▶・蠱殺▶・蠱疾▶・蠱祝▶・蠱術▶・蠱女▶・蠱虫▶・蠱▶・蠱蠹▶・蠱▶・蠱道▶・蠱毒▶・蠱佞▶・蠱媚▶・蠱敝▶・蠱冶▶・蠱誘▶・蠱惑▶
[下接語]
暗蠱・狂蠱・成蠱・蔵蠱・蛇蠱・毒蠱・巫蠱・埋蠱・妖蠱
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報