巫蠱(読み)フコ

デジタル大辞泉 「巫蠱」の意味・読み・例文・類語

ふ‐こ【××蠱】

巫女みこまじない師。また、まじないで、人をのろうこと。
「―神仏に惑溺し」〈福沢学問のすゝめ

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精選版 日本国語大辞典 「巫蠱」の意味・読み・例文・類語

ふ‐こ【巫蠱】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「巫」はみこ、「蠱」はまじない師 ) みこやまじない師。また、まじないで人をのろうこと。呪法によって人をのろうこと。
    1. [初出の実例]「県犬養姉女等坐巫蠱配流」(出典:続日本紀‐神護景雲三年(769)五月丙申)
    2. [その他の文献]〔漢書‐江充伝〕

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普及版 字通 「巫蠱」の読み・字形・画数・意味

【巫蠱】ふこ

呪虫を用いて人をのろう。〔漢書、武帝紀〕征和元年、~巫蠱る。二年~閏陽石、皆巫蠱に坐して死す。~秋七~江充等、蠱を太子の宮に掘る。~庚寅、太子(に)げ、皇后自す。

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改訂新版 世界大百科事典 「巫蠱」の意味・わかりやすい解説

巫蠱 (ふこ)
wū gǔ

中国で他人に危害を与えるために行われた呪術。甲骨文にすでに蠱()の字があり,虫(ちゆう)(蛇の類)が器中にいるのをかたどる。外から及ぼされる祟りを意味したらしい。後世の説明であるが,器の中に多くの蛇を入れておくと互いに喰い合う。最後に残った1匹には大きな呪力があり,それを用いて他人に害を与えられるとされた。日本のつきものと同様に,蠱をあつかう家すじがあると考えられたらしく,《捜神記》には,蠱を行う家にとついだ嫁が知らずに缸(かめ)の中の大蛇を殺したところ,その家は死に絶えたとある。こうした蛇を用いる呪術は後世までとくに江南地方に盛んであったが,蠱の語はより広く,必ずしも蛇を用いぬ呪術を指す場合もある。《春秋左氏伝》や《周礼(しゆらい)》にもそうした蠱毒のことが見え,とくに漢代に後宮で行われた人形(ひとがた)や嬰児死骸などを用いた巫蠱や媚道は,政治史上の事件にまで発展した。こうした呪術は左道として厳禁され,発覚したときには関係者は極刑に処せられるのが例である。
巫蠱の乱
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世界大百科事典(旧版)内の巫蠱の言及

【巫蠱の乱】より

…中国,前漢武帝末の内乱をいう。巫蠱とは木の人形などを地中に埋めて呪詛を行う呪術をいう。皇太子戻太子は武帝に疎まれ,外戚衛青も死んで孤立していた。…

※「巫蠱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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