行基寺(読み)ぎようぎじ

日本歴史地名大系 「行基寺」の解説

行基寺
ぎようぎじ

[現在地名]南濃町上野河戸

上野河戸うえのこうず集落の西にある浄土宗寺院。行基の開創と伝えるが、現在の寺は高須たかす(現海津町)円心えんしん寺の性誉が、行基開基の古刹で延元三年(一三三八)戦乱のため焼失廃絶したという臥竜山菩提ぼだい寺の旧跡再興を、高須藩主松平義行に願出て許され、元禄一五年(一七〇二)よりその再興に着手、宝永年間(一七〇四―一一)に完成すると旧寺の山号をとって臥竜山行基寺と称したものという。「新撰美濃志」によると境内には行基堂・親鸞御影堂・鐘楼堂・庫裏・不泊庵・恵体庵・欣秀庵・願入庵などが建立され栄えたようで、毎年四月一日より八日までは菩提詣と称して遠近の道俗が参集、「諸売物を持来りて市をなし夥しき賑ひなり」の様子であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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