行詰(読み)ゆきづまり

精選版 日本国語大辞典 「行詰」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐づまり【行詰】

〘名〙
行く手がさえぎられて先へ行けなくなること。また、その所。ゆきどまり。いきづまり。
良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉中「真暗廊下の行き詰まりに、灯火明々と障子に映るのは」
物事がうまく進まないでどうにもならなくなること。また、物事の極限に達したこと。いきづまり。ゆきどまり。
椀久物語(1899)〈幸田露伴〉六「とっくりと心をおちつけて、行きづまりにならぬやうな途を択んで月日を送って行かるるやう」
③ 転じて、詰まるところ。結局。
※父の婚礼(1915)〈上司小剣〉三「薄茶や、濃茶や、生花やいうて、上品がってはるが、行き詰りは矢っ張りレコやなア」

いき‐づま・る【行詰】

〘自ラ五(四)〙 (「いきつまる」とも)
行手がふさがって、それから先へ行くことができなくなる。ゆきづまる。
※応永本論語抄(1420)子張第一九「深遠なる理を云んとすれば、いきつまりたるやうにして其理が通じがたきぞ」
② 物事がうまく運ばないで、どうにもならなくなる。進退に窮する。ゆきづまる。
※古活字本荘子抄(1620頃)七「所見のいきつまる者を待て答る也」
③ せっかちである。一徹である。
浄瑠璃持統天皇歌軍法(1713)一「御辺少短慮にて、いきつまったる生れ付」

ゆき‐づま・る【行詰】

〘自ラ五(四)〙 (「ゆきつまる」とも)
① 行く手がつまって、それから先へ行けなくなる。道が行きどまりとなる。いきづまる。
太平記(14C後)九「我先にと逃ふためきける程に、或は道もなき岩石の際に行つまて腹を切り」
② 物事がうまく進まないで、どうにもならない状態になる。進退に窮する。はたと詰まる。また、物事の極限に達する。ゆきあたる。いきづまる。
※浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)四「あらけなくとがめられ、べんけいほうど行つまり」

ゆき‐つ・める【行詰】

〘自マ下一〙 ゆきつ・む 〘自マ下二〙 行く手がふさがって前へ進めなくなるまで行く。行けるところまで進む。
※満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石三三「向ふに見える高粱の畠迄行(ユ)き詰(ツ)めた事がないから」

いき‐づめ【行詰】

〘名〙
① 行く手がふさがっていること。行けるところまで行ってしまうこと。いきづまり。ゆきづめ。
② つめて通うこと。絶えず行くこと。「図書館へいきづめだ」

いき‐づまり【行詰】

〘名〙
① それより先に行くことができないこと。また、その所。
② 物事がうまく運ばないで、どうにもならなくなること。ゆきづまり。

ゆき‐づめ【行詰】

〘名〙 行く手がふさがっていること。行けるところまで行くこと。いきづめ。
※黒雨集(1923)〈田中貢太郎〉黒い蝶「義直は玄関へあがって左の廊下へ出た。客室はその行き詰めの右側にあった」

ゆき‐つ・む【行詰】

[1] 〘自マ四〙 行けるところまで行きつく。いきづむ。
[2] 〘自マ下二〙 ⇒ゆきつめる(行詰)

いき‐づ・む【行詰】

〘自マ四〙 前へ進むことができなくなる。行けるところまで行く。行きづまる。ゆきづむ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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