行過(読み)いきすぎ

精選版 日本国語大辞典 「行過」の意味・読み・例文・類語

いき‐すぎ【行過】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 行き過ぎること。目的より先の所まで行くこと。ゆきすぎ。
  3. ( 形動 ) 度を越すこと。分を越えたふるまいをするさま。また、その人。ゆきすぎ。
    1. [初出の実例]「わる洒落いふて、冷笑(あざわらふ)いき過は、先祖の恩しらずのわるものといふべし」(出典談義本・教訓雑長持(1752)四)
  4. ( 形動 ) 知ったかぶりや出すぎたことをすること。やたらに、通人ぶったり趣向をこらしたりするさま。また、その人。
    1. [初出の実例]「初心の客、はじめより此書のおきてをまもらんと欲すれば、〈略〉、ことわざにいへるいき過と云やうになり」(出典:洒落本・魂胆惣勘定(1754)下)
  5. 先走ること。早とちりすること。
    1. [初出の実例]「『くれろといふことか』『きついゐきすきサ』」(出典:洒落本・廻覧奇談深淵情(1803)其四)

ゆき‐すぎ【行過】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 行きすぎること。目的より先の所まで行くこと。いきすぎ。また、通りすがり
    1. [初出の実例]「私は道の行き過ぎに私を彌次る子供が何より怖くて」(出典:途上(1932)〈嘉村礒多〉)
  3. ( 形動 ) 度を越すこと。分を越えたふるまいをすること。また、そのさま。おせっかい。いきすぎ。
    1. [初出の実例]「是は異端のおしへにて、ゆき過といふ物也」(出典:随筆・独寝(1724頃)下一〇二)
  4. ( 形動 ) 知ったかぶりや出すぎたことを言ったりしたりすること。やたらに通人ぶったり趣向をこらしたりすること。また、そのさま。いきすぎ。
    1. [初出の実例]「泣本赤本の目よりも、行過(ユキスギ)と嘲り、仮在行(きいたふう)と笑ふべし」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)序)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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