最新 地学事典 「衝突盆地」の解説
しょうとつぼんち
衝突盆地
impact basin
天体衝突でつくられた多重の同心リングをもつ衝突地形。大規模な天体衝突では二重または三重以上のリング構造が発達するために多重リング盆地とも呼ばれ,衝突クレーターと区別される。月では直径300km以上の衝突構造に多重リングがみられる。多重リングができる原因としては,一時的にできた深い凹地が内側に崩壊したとする説と,強度の異なる地下の層構造を反映したためとする説がある。月では最大の直径2,500kmの南極エイトケン盆地をはじめとして,約50の,火星ではヘラス盆地(直径2,200km)・イシダス盆地(1,500km)など約30の盆地が見つかっている。いずれの形成年代も38億年前よりも古く,盆地の形成はその後の惑星・衛星の進化に大きな影響を与えたと考えられる。
執筆者:諸田 智克・白尾 元理
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

