化学辞典 第2版 「表面圧」の解説
表面圧
ヒョウメンアツ
surface pressure
水面に極性(親水性)基をもつ難溶性有機化合物が単分子膜をつくるとき,表面積が広がろうとする圧力を表面圧Fという.その大きさは分子膜の表面張力γと純水の表面張力 γ0 との差(γ0 - γ)として表面圧はかりで測定される.有機物液体を水面に置いたときに,それが水面に広がろうとする圧力は上の表面圧Fとは異なり,W.D. Harkinsの拡張係数
S = γ0 - (γ1 + γ2)
で表される.ただし,γ1 は有機液体の表面張力で,γ2 は水とその液体との間の界面張力である.ろうを塗った糸の輪を水面に置き,そのなかに有機物を置くと輪がピンと張るが,このときに示される圧力は,後者の拡張係数に関する現象である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報