袁枢(読み)えんすう(その他表記)Yuan Shu; Yüan Shu

精選版 日本国語大辞典 「袁枢」の意味・読み・例文・類語

えん‐すうヱン‥【袁枢】

  1. 中国南宋歴史家。字(あざな)は機仲。建安の人。大学録となり、のち国子院編修官、国子監祭酒を務める。紀事本末体を発案して、「通鑑紀事本末」を著わした。(一一三一‐一二〇五

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「袁枢」の意味・わかりやすい解説

袁枢
えんすう
Yuan Shu; Yüan Shu

[生]紹興1(1131)
[没]開禧1(1205)
南宋の学者。建安 (福建省) の人。字は機仲。国史院編修官,国子監祭酒を歴任司馬光の『資治通鑑』を項目別に分類して『通鑑紀事本末』を著わし,事実を発生経過に従ってたどる紀事本末体と呼ばれる史体をつくり,後世の歴史叙述に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の袁枢の言及

【紀事本末体】より

…中国,歴史叙述の形式の一つで,紀伝体,編年体と併せて史の三体という。宋の袁枢(1131‐1205)が編年体の《資治通鑑(つがん)》をもとにして,歴史的事件のはじめから終りまでを一見しうる形式を考案し,その書を《通鑑紀事本末》と名付けたのに始まる。清朝の《四庫全書総目》に至ってはじめて,紀事本末体が史書を分類する形式の一つとして認められた。…

【通鑑紀事本末】より

…全42巻。史学と易学にすぐれた袁枢(えんすう)の著。司馬光の《資治通鑑(しじつがん)》をいったん解体し,戦国時代から五代に至る1362年間の歴史を239篇の〈事〉(歴史事象,できごと)に再編成し,それぞれの本末(てんまつ)を記したもの。…

※「袁枢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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