袖振る(読み)そでふる

精選版 日本国語大辞典 「袖振る」の意味・読み・例文・類語

そで【袖】 振(ふ)

① 合図として、または別れを惜しんだり、愛情を示したりして、着物の袖を振る。
万葉(8C後)一・二〇「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖(そで)布流(フル)
② 着物の袖を振って舞う。
※万葉(8C後)三・三七六「秋津羽の袖(そで)(ふる)妹を珠匣(たまくしげ)奥に念(おも)ふを見たまへ吾が君」
[補注]①は、本来、魂を鎮(しず)める呪的行為であったとされる。たとえば、別れに際して見送る側が袖を振るのは、旅の安全を祈る呪的行為であったと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「袖振る」の意味・読み・例文・類語

そで・る

別れを惜しんだり、愛情を示したりするために、袖を振る。
白波の寄そる浜辺に別れなばいともすべなみ八度やたび―・る」〈・四三七九〉
袖を振って舞う。
唐人の―・ることは遠けれど立ちゐにつけてあはれとは見き」〈紅葉賀

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