とう‐じん タウ‥【唐人】
〘名〙
※成尋母集(1073頃)「たうしんありなし聞きて、四月に京にはのぼらむ」
※玉塵抄(1563)六「唐人ははなをひるにも韻をふむぞ」
※仮名草子・犬枕(1606頃)「高
(たかき)物しゅみせん・
王位・ひさう伝・
とうじのたうやとう人のはな」
③ ものの
道理のわからない人、わけのわからないことをいう人をののしっていう語。唐人の申し子。
※浮世草子・西鶴織留(1694)三「鴟
(とび)は
俳諧やら烏は
連歌やら、何を
ひとつも聞分る事なし、作者唐人なればこそ、其ままに済事なれ」
④
山王祭の唐人行列、または神田明神祭の
唐人囃子(ばやし)の唐人の役。また、唐人囃子のこと。
※
咄本・無事志有意(1798)祭り「ばか太鼓や唐人
(トウジン)でもねへから、踊を
町内の
子供にをしへ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「唐人」の意味・読み・例文・類語
とう‐じん〔タウ‐〕【唐人】
1 唐土の人。中国人。からびと。
2 外国人。異国人。異人。
「マドンナと云うと―の言葉で、別嬪さんの事じゃろうがなもし」〈漱石・坊っちゃん〉
3 ものの道理のわからない人をののしっていう語。
「ええこの―めらあ」〈滑・膝栗毛・五〉
から‐びと【唐人/▽韓人】
《古くは「からひと」》中国、または朝鮮の人。
「―も筏浮かべて遊ぶといふ今日そ我が背子花かづらせよ」〈万・四一五三〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
とうじん【唐人】
唐の人。転じて中国大陸から来た人,さらに異国人一般をさす語となる。9世紀には官人の中に唐人と明記された人があり,遣唐使とともに来住した人を唐人といっている。しかし唐の滅亡前後,とくに10世紀以降,中国大陸からの商人,宋商が九州,山陰,北陸に頻々と来着するが,これらの人は唐人とも併称された。九州の大宰府,越前の敦賀などに住みつく人も多く,平安末期には博多に大唐街があったといわれる。神人(じにん)・寄人(よりうど)となり,交易,海上交通に従事する宋人が北九州に現れるが,この人々も唐人と通称され,鎌倉後期の蔵人所牒(くろうどどころちよう)には,櫛,薬などを遍歴・交易したとみられる唐人が見いだされる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報