製造原価報告書(読み)せいぞうげんかほうこくしょ(その他表記)schedule of cost goods manufactured

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「製造原価報告書」の意味・わかりやすい解説

製造原価報告書
せいぞうげんかほうこくしょ
schedule of cost goods manufactured

製造原価明細書ともいう。損益計算書の付属明細書の性格を有し,当期中に生産された製品の原価計算の結果を総括表示した外部報告書。商法の計算書類規則は売上原価の表示方法および製造原価報告書の作成について別段の規定を設けてないが,財務諸表規則 75条では製造企業の損益計算書において売上原価を,製品の期首棚卸高+当期製品製造原価-期末棚卸高の形式で示すことを規定し,さらに当期製品製造原価についてはその内訳を記載した明細書 (製造原価報告書) の作成を要求している。個々の製品の原価計算の結果を示す原価計算表とは異なり,あらゆる製品の原価計算の結果を工業簿記的手法で総括したところに特色がある。ただし建設業,造船業,重電機製造業などのいわゆる個別原価計算の手法によって原価計算を行う企業の製造原価報告書の形式は計算技術上の理由からきわめて要約されたものにとどまることが多い。製造原価報告書の骨子書式で示せば次のとおりである。 (期首仕掛品+期首製品) + (当期投入材料費+当期投入労務費+当期投入経費) - (期末仕掛品+期末製品) =当期売上製品の製造原価。

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