別段(読み)ベツダン

デジタル大辞泉 「別段」の意味・読み・例文・類語

べつ‐だん【別段】

[名]特に異なること。特別・格別なこと。「別段配慮をする」
[副](あとに打消しの語を伴って用いる)特にとりたてて言うほどではないさま。とりわけ。「別段変わった事はありません」「別段欲しいものはない」
[類語]殊に特にとりわけなかんずく特別ことさら殊の外ひときわ中でも分けても折り入ってわざわざせっかく格別格段特段特殊特異別にこれと言うスペシャル満更まんざら必ずしもあながち一概にさしてさしたるさほどさまでそれほどそんなそのようそうしたそういうさようさもさもさもそうしかあまり大してなかなか取り立ててさのみさしもこれほどどれほどいかほど何ほどそれくらいこれくらいこのくらいこればかり

べち‐だん【別段】

べつだん(別段)」に同じ。
「是は異朝先規せんぎたるうへ、―の事なり」〈平家・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「別段」の意味・読み・例文・類語

べつ‐だん【別段】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 特に異なること。常と異なること。特別なこと。べちだん。
    1. [初出の実例]「賊徒乱入花洛之程事、別段事也」(出典玉葉和歌集‐寿永二年(1183)七月二日)
    2. 「異朝の先規たる上、別段(ベツダン)の事なり」(出典:高野本平家(13C前)一)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 特に。とりわけ。殊に。
    1. [初出の実例]「別段掃除も念を入れろと」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)三立)
    2. 「別段役に立つといふ方でもなし」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

べち‐だん【別段】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「べち」は「別」の呉音 ) =べつだん(別段)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「南都北嶺の衆徒逆悪に帰し、武勇を嗜むは別段(ベチダン)のおきて也」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)

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