最新 地学事典 「西彼杵変成岩」の解説
にしそのぎへんせいがん
西彼杵変成岩
Nishisonogi metamorphic rock
長崎県西彼杵半島に分布する低温高圧型変成岩。原岩の年代は97〜79Ma(ジルコンU-Pb年代)で,変成作用の年代は84〜73Ma(ジルコンリムU-Pb年代)。フェンジャイトのK-Ar年代は77〜63Maを与える。西縁を呼子ノ瀬戸断層によって限られ,大瀬戸花崗閃緑岩(90Ma)と接するが,これによる接触変成作用を受けていない。東縁は大村湾を走る断層によって有田帯と接すると考えられる。全体的に南北の走向を有し,半島の西海岸寄りに南北方向に走る背斜軸があり,西に急傾斜で東に緩く傾斜する非対称背斜構造(西彼杵背斜)を有する。泥質砂質片岩を主体とし,少量の塩基性片岩,超塩基性片岩,蛇紋岩を伴う。泥質片岩にはほぼ全域でざくろ石を産し,苦鉄質片岩の一部とグラファイトを含まない砂質片岩にはらん閃石を産する。構造性の蛇紋岩メランジュ中には,ひすい輝石岩・オンファス輝石岩などの構造岩塊を産する。ひすい輝石の核部には石英微粒子が含まれ,450℃,1.5GPa程度の形成条件を示す。近年,呼子ノ瀬戸断層に沿う雪浦の蛇紋岩メランジュからマイクロダイヤモンドが発見され,西彼杵変成岩の一部が超高圧変成岩であることが明らかにされた。参考文献:Nishiyama et al.(2020) Sci. Rept., Vol.10:11645
執筆者:西山 忠男
参照項目:長崎変成岩類
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

