西館町(読み)にしだてまち

日本歴史地名大系 「西館町」の解説

西館町
にしだてまち

[現在地名]松前郡松前町字西館・字唐津からつ・字愛宕あたご

近世から明治三三年(一九〇〇)まで存続した町。近世は松前城下の一町。福山城の西、小松前こまつまえ川と唐津内沢からつないさわ川に挟まれた台地一帯、唐津内町の背後(北側)にあたる。寛永一一年(一六三四)には松前景広が西街館に移っている(市立函館図書館本「福山秘府」)。景広は初代藩主松前慶広の六男(七男説あり)として慶長五年(一六〇〇)誕生。幼名を岩丸、初名を等広、のちに景広と称し、出家して快安と号した。「新羅之記録」の著者として知られる。寛永二〇年に幕府に提出した松前家系図の不備と誤りを正そうとして自ら編纂にあたった。正保三年(一六四六)景広は完成稿を帰依する新羅大明神のある近江三井みい寺に持参して浄書してもらい、武運長久・子孫繁栄を祈った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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