国指定史跡ガイド 「西鹿田中島遺跡」の解説
さいしかだなかじまいせき【西鹿田中島遺跡】
群馬県みどり市笠懸町にある集落跡。県の南部、足尾山地と赤城山の間を貫流してきた渡良瀬(わたらせ)川が、平野部に流れ込んでつくった大間々(おおまま)扇状地が早川などによって浸食されてできた南西方向に延びる舌状台地の先端部にある。1999年(平成11)からの範囲確認調査で、遺跡が所在する舌状台地の平坦部から南側斜面にかけての東西150m、南北120mの楕円形の範囲に、2700点以上の厚手爪形文、薄手爪形文、多縄文系土器などの土器片、数十点の石鏃(せきぞく)、有茎尖頭器など、3000点以上にのぼる縄文時代草創期の遺物が分布していることが判明した。この遺跡は東日本における竪穴(たてあな)、貯蔵穴、集石など、定住生活を支える一連の施設が備わっていく状況をよく示すとともに、縄文時代的な生活様式の開始期やその具体的な内容を考えるうえで貴重である。2004年(平成16)に国の史跡に指定された。JR両毛線岩宿駅から車で約10分。