西龍寺(読み)さいりゆうじ

日本歴史地名大系 「西龍寺」の解説

西龍寺
さいりゆうじ

[現在地名]府中市栗柄町

登呂茂とろもにあり、真言宗御室派、山号清教山、本尊薬師如来、もと栄明えいみよう寺末。「福山志料」所引の清教山西龍寺旧記に「清教山医性院西龍寺往古西明寺、(中略)康和元巳卯年広瀬大膳大夫藤原通明之建」、「西備名区」に「其創造の時、西明寺医性院と号せし」とあり、古くは西明さいみよう寺と号した。

「水野記」に「清教山医生院西明寺、(中略)寺領三拾弐貫杉原又太郎寄之、其後天正十六年没収之」とあるから、江戸時代初期までその呼称であったと推定される。清教山西龍寺旧記は続けて「宝徳二庚午年土生村用土昌禅再建云々、元禄十一戊□七月住寺贈法印宥慶建立之訖、(中略)元和五年八月水野日向守勝成公為西国鎮衛福山之城居住之時本尊敷地被寄附之」と記し、元禄一三年(一七〇〇)検地の際、古例のとおり本堂敷地三畝一〇歩、観音堂敷地五畝一〇歩が除地とされたといい、往古は一二坊あったが滅んで本堂も大破したので、慶安二年(一六四九)村の古老が図って灯明料二石ずつ寄付したと記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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