栗柄村(読み)くりからむら

日本歴史地名大系 「栗柄村」の解説

栗柄村
くりからむら

[現在地名]篠山市栗柄

坂本さかもと村の東に位置し、宮田みやだ川が南西流する。南東部に西にしヶ嶽・嶽があり、北西に栗柄峠、東に鼓峠に向かう山道がある。丹波大峰とよばれる山岳仏教にかかわる地で、大峰参り金剛界巡りの最終の場、胎蔵界巡りの起点とされることから、水行場として不動の滝があった。付近に修験道場新金剛山三岳みたけ寺配下の三岳山養福ようふく寺があったが、のち衰退しわずかに観音堂が残るのみ。中世から近衛家領宮田庄内の村名としてみえる。嘉元三年(一三〇五)一一月の宮田庄雑掌円道申状案(近衛家文書)によれば、正安三年(一三〇一)三月六日前公文悪党の生西は「栗柄村」奥大夫男の住宅に打入り、夜討強盗を働き、資財物を奪い取ったという。


栗柄村
くりがらむら

[現在地名]府中市栗柄町

土生はぶ村の南に位置する。文明三年(一四七一)六月一六日付の西国寺不断経修行勧進并上銭帳(西国寺文書)に「栗柄衆 代五拾疋 如来堂 壱貫文 惣中」とみえる。この頃どの範囲を栗柄といったか不詳であるが、「福山志料」に「ムカシハ高木中津土生父石前原マテ、府中市イセヤワキマテ、町村耳語橋マテ、相方城山下有地久田谷柞摩土カヘマテスヘテ栗柄ナリシト云」とあり、近世の栗柄村より広い範囲であったらしい。

近世村としては元和五年(一六一九)の備後国知行帳に「くりから村」(高一千一〇七石余)、「寛文朱印留」(寛文四年)に「倶利迦羅村」とみえるが、元禄一三年(一七〇〇)の御検地水帳(広島大学蔵)以降栗柄村となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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