見掛けの活性化エネルギー(読み)ミカケノカッセイカエネルギー

化学辞典 第2版 の解説

見掛けの活性化エネルギー
ミカケノカッセイカエネルギー
apparent activation energy

反応速度定数アレニウス式の表現

kAeE/RT (A定数)

における定数Eをさす.実験的には速度定数の温度変化より,

として得られ,エネルギーのディメンションをもつ.古典衝突論による気相反応の模型では,衝突する分子間の相対運動エネルギーの分子結合線上のエネルギー成分が,一定限度以上のとき反応を生じるとして,これを活性化エネルギーEa とするが,この値と見掛けの活性化エネルギーの間には

EEaRT

の関係がある.また,気相素反応過程における反応系のポテンシャルエネルギー曲面から求められる量子論的活性化エネルギーとの関係は,遷移状態理論によって与えられている.一般に化学反応は複合反応であるから,見掛けの活性化エネルギーはそれに含まれるいくつかの素反応の活性化エネルギーの関数となり,とくに表面反応では吸着熱との関係が重要になる.[別用語参照]ラングミュア-ヒンシェルウッド機構

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android