化学辞典 第2版 「表面反応」の解説
表面反応
ヒョウメンハンノウ
surface reaction
固体または液体の表面で進行する反応.これには,酸に対する金属の溶解のように固体自身が表面で反応するもののほか,ほかの均一相にある物質が表面上で反応する触媒反応がある.反応過程はいずれの場合でも,均一相から表面への反応分子の拡散,表面上の吸着および反応,生成物の表面から均一相への拡散を経て進行する.溶解過程では,表面境界層中への拡散が反応を支配する場合が多いが,触媒反応では,吸着分子の表面での反応が律速段階となる.反応機構には,ラングミュア-ヒンシェルウッド機構およびリディール機構がある.また均一相内で進行する燃焼,爆発などの連鎖反応では,反応容器表面での原子や遊離基の生起あるいは消滅が行われ,反応速度に大きく影響する.異なる固相の境界面で生じる固相反応では,生成物層内の拡散が反応の性格を決める重要因子となる.[別用語参照]表面再結合の【Ⅱ】
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報