規定婚(読み)きていこん(その他表記)prescriptive marriage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「規定婚」の意味・わかりやすい解説

規定婚
きていこん
prescriptive marriage

特定集団の成員が自分の唯一の配偶者として規定されている結婚。この場合の特定集団の成員とは,個人を指すのではなく,特定のカテゴリーや系譜上の関係を意味している。人間社会には,自分の属する集団や他集団との婚姻を禁止したり,他集団との婚姻を奨励するといった具合に,婚姻に関するさまざまな規則が存在する。その一つに,イトコ婚があり,インドのブルム族のそれを分析するに際して,イギリスの R.ニーダムは,「規定」と「選好」という2つの概念を適用した。規定婚を行なう社会でも,それを維持できなくなった場合には「選好婚」に移行することもあり,規定という概念の妥当性について,ニーダムと多くの研究者の間で激しい論争が展開された。その結果,ニーダムは,規定婚とは社会規範ではなく,親族名称体系上,結婚可能な範囲が一つの名称カテゴリーに限定されている婚姻形式であると結論した。

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