改訂新版 世界大百科事典 「視地平線」の意味・わかりやすい解説
視地平線 (しちへいせん)
apparent horizon
地形に起伏がないとしたときに見えるべき地平線。地平線または水平線と呼ばれているものは,理論的には高度0°の線であるが,地球が球形になっているため,観測者の高さによって実際に見える地平線は高度0°よりも下になっている。この角を地平俯角,あるいは眼高差dip of horizonと呼んでいる。海面上に人間の目があったときの水平線は高度0°であるが,海面上に人間が立ったときの水平線は高度0°より0.°04程度下に見え,3000mの山,または航空機から見る地平線は高度0°より1.°8下に見えることになるが,実際には大気の屈折の影響を受けて1.°9下にあるべき地平線が浮き上がって1.°6下に見える。
執筆者:古川 麒一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報