古川(読み)フルカワ

デジタル大辞泉 「古川」の意味・読み・例文・類語

ふるかわ【古川】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「古川」姓の人物
古川薫ふるかわかおる
古川古松軒ふるかわこしょうけん
古川太四郎ふるかわたしろう
古川真人ふるかわまこと
古川緑波ふるかわろっぱ

ふるかわ【古川】[地名]

宮城県中北部、仙台平野にあった市。陸羽街道宿場町・市場町として発展。平成18年(2006)3月、周辺6町と合併して大崎市となる。→大崎

ふる‐かわ〔‐かは〕【古川/古河】

古くからある川。

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精選版 日本国語大辞典 「古川」の意味・読み・例文・類語

ふる‐かわ‥かは【古川】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 古くからある川。昔からずっとそこに流れている川。
    1. [初出の実例]「はつせがは ふるかはのへに ふたもとあるすぎ としをへて またもあひみん ふたもとあるすぎ〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇九)
    2. 「古川の辺に家居をやせん 二本の杉の丸太を柱にて〈慶友〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一四)
  2. [ 2 ] 宮城県中北部の地名。仙北平野の南西部にある。江戸時代、奥州街道と羽前街道などとの分岐点の宿場町・市場町として発展。農業を主とし、良質の米を産出する。食品・電子機器工業も盛ん。昭和二五年(一九五〇)市制。

古川の補助注記

[ 一 ]の「古今集」例は、ほかに、初瀬川の支流の布留川とする説、初瀬川の部分的名称とする説などもある。


ふるかわふるかは【古川・古河】

  1. 姓氏の一つ。

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日本歴史地名大系 「古川」の解説

古川
ふるかわ

寝屋川市内で発して西南流し、門真かどま市域を流れて大阪市鶴見区で寝屋川に合流する。旧淀川分流の右岸とほぼ一致し、名残を名称にとどめる。横地よこち川ともよんだ(河内名所図会)。近世初頭から九箇くか(九個庄・九ヶ所)、すなわち大利おおとし高柳たかやなぎ神田かみだ対馬江つしまえ黒原くろはら仁和寺にわじ葛原くずはら点野しめの池田いけだの諸村(享保八年摂州榎並河州八個両庄之地図)の悪水井路として機能した。

宝永元年(一七〇四)の大和川付替え以前の流路は、はま(現鶴見区)八箇はつか(八ヶ所)悪水井路とともに新開しんかい(現東大阪市)に注いだが、大和川からの水勢に押されて排水が悪く新井路により鯰江なまずえ川に合流していた。


古川
ふるかわ

新宿区・渋谷区・港区を流れる東京都の二級河川。新堀しんぼり川・赤羽あかばね(赤羽根)川・金杉かなすぎ川ともいう。江戸時代渋谷村に多くかかるため上流は渋谷川と唱えた。現在では港区南麻布みなみあざぶ四丁目・渋谷区恵比寿えびす二丁目を境に上流を渋谷川、下流を古川としている。

信濃高遠藩内藤家下屋敷(現在の新宿区新宿御苑)の湧水と四谷大木戸(現新宿区)辺りで分岐する玉川上水の余水を水源とし、途中じやが池(親川・竜川・笄川・広尾川ともいう)の水や宇田うだ川・さくら川などの支流が流れ込む。掘割を行った時期は定かではない。


古川
ふるかわ

秋田市東南部の小阿地こあじ地内から大きく蛇行しながら目長田めながた仁井田にいだを流れ、北流して太平たいへい川に注ぐ細流。享保一〇年(一七二五)一〇月七日付「被仰渡」(国典類抄)に「牛嶋潟福島川、小阿地古川、右之所ニ魚取候儀、前々より停止被仰付候所、此間猥ニ相聞得候、依之御目付之者ニ相廻り搦捕候様ニ被仰付候間、此旨下々ニ急度可申付候」とある。


古川
ふるかわ

盛岡城内丸の西方の仁王におう小路と、表大沢川原おもておおさかわら小路・裏大沢川原小路との間の旧北上川流路跡。北上川古川ともいう。元文城下図に古川とみえ、仁王小路の仁王馬場東端南側から盛岡城の内堀(亀ヶ池)にかけて、沼あるいは湿地帯らしきものが描かれる。本丸西側の菜園との間には、同じく古川の一間いつけん堰が南流して中津なかつ川に合流する。延宝三年(一六七五)頃までに新築地しんちくち(新土手)が造営される以前の北上川は、現在の大通おおどおり三丁目西端から同二丁目・同一丁目を東流して産業会館付近で旧盛岡城北西端の御田屋おたや清水に突き当り、同地から旧本丸西下の菜園さいえん一丁目・大沢川原おおさわかわら一丁目東端を南流して中津川に合流していた(寛永城下図)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古川」の意味・わかりやすい解説

古川(宮城県)
ふるかわ

宮城県中北部、大崎平野の中心にあった旧市名(古川市)。現在は大崎(おおさき)市の中央部南東寄りを占める地域。1950年(昭和25)古川町と志田(しだ)、荒雄(あらお)、宮沢の3村が合併して市制施行。同年、東大崎、長岡、富永の3村、1954年敷玉(しきたま)村の大部分、高倉、清滝の2村を編入。2006年(平成18)志田郡松山町(まつやままち)、三本木町(さんぼんぎちょう)、鹿島台町(かしまだいまち)、玉造(たまつくり)郡岩出山町(いわでやままち)、鳴子町(なるこちょう)、遠田(とおだ)郡田尻町(たじりちょう)と合併、市制施行して、大崎市となった。旧市域の中央を北西から南東に流れる江合(えあい)川は古くから流路を変え、市街中心部にその名残(なごり)川がある。

 奈良期には玉造軍団(たまつくりぐんだん)が置かれ、多賀(たが)城、胆沢(いさわ)城と並んで律令(りつりょう)国家による陸奥(むつ)経営の前衛基地であった。仙台藩政時代には奥州街道の宿場町として繁栄、また周辺農村の商業中心として定期市(いち)が立った。現在も三日町、七日町、十日町などの町名が残っている。明治になり日本鉄道(現JR東北本線)の敷設から外れたが、1913年(大正2)には国鉄(現JR)陸羽東線が開通した。さらに、1982年には東北新幹線古川駅が開業している。現在、国道4号、47号、108号、347号が市街地から放射状に延び、また、東北自動車道が通じ、古川インターチェンジがある。バス交通の中心であり、官公庁の地方出先機関も集中している。周辺の大崎平野はササニシキや「ひとめぼれ」などの銘柄米の主産地で、県の農業試験場がある。製造業は食料品中心で小規模のものが多かったが、近年電子部品工場が立地した。大規模な古代城柵(じょうさく)・官衙(かんが)跡である宮沢遺跡、多賀城などの城柵に瓦(かわら)を供給した大吉山瓦窯跡(だいきちやまがようあと)、名生館官衙遺跡(みょうだてかんがいせき)は国指定史跡。

[境田清隆]

『『古川市史』全2巻(1968、1972・古川市)』『『古川市史』全11巻(2001~ ・古川市)』



古川(岐阜県)
ふるかわ

岐阜県北部、吉城郡(よしきぐん)にあった旧町名(古川町(ちょう))。現在は飛騨(ひだ)市の南部を占める一地区。1889年(明治22)町制施行。1956年(昭和31)細江(ほそえ)、小鷹利(こたかり)の2村と合併。2004年(平成16)河合(かわい)村、宮川(みやがわ)村、神岡町と合併、市制施行して飛騨市となる。旧古川町は、古い城下町(金森氏の支城増島城)に由来する町並みを中心とし、古川盆地を北流する宮川沿いに発達した。若山牧水らの文化人も訪れた文学ゆかりの町である。中心地区の町並みは、国土交通省の2003年度「美しいまちなみ大賞」に選ばれた。JR高山本線、国道41号、471号の便があり、電機・医療品の製造、窯業などの工業も伸びている。飛騨市役所の所在地でもある。気多若宮神社(けたわかみやじんじゃ)の4月の例祭(古川祭)は、「起し太鼓・屋台行事」(国重要無形民俗文化財)で有名。数河(すごう)高原は奥飛騨数河流葉(おくひだすごうながれは)県立自然公園の一部。

[上島正徳]


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百科事典マイペディア 「古川」の意味・わかりやすい解説

古川[市]【ふるかわ】

宮城県中北部の旧市。1950年市制。陸羽東線が通じる中心市街は奥州街道と羽前街道の交差する地で,宿場町,市場町として発達,慶長年間から続く定期市が,現在も春季に開かれる。東北新幹線,東北自動車道も通じる。仙北平野の低地を占め,ササニシキ,ひとめぼれなどの良質米を多産。2006年3月,志田郡松山町,三本木町,鹿島台町,玉造郡岩出山町,鳴子町,遠田郡田尻町と合併し市制,大崎市となる。134.14km2。7万3136人(2003)。
→関連項目陸羽東線

古川[町]【ふるかわ】

岐阜県北部,吉城(よしき)郡の旧町。古川盆地の大部分を占め,主集落古川は高山と富山を結ぶ越中の西街道の中継地で,古川盆地の物資の集散地・中継地として発達。高山本線が通じ,木工業が盛ん。〈起こし太鼓〉で有名な気多(けた)若宮神社,スキー場がある。2004年2月吉城郡河合村,宮川村,神岡町と合併し,飛騨市となる。97.44km2。1万6462人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古川」の意味・わかりやすい解説

古川
ふるかわ

宮城県北西部,大崎市中央部の旧市域。仙北平野の中央部にある。 1950年市制。 2006年松山町,三本木町,鹿島台町,岩出山町,鳴子町,田尻町の6町と合体して大崎市となった。中心市街地の古川には室町時代に大崎氏の家臣古川氏の居城があった。陸羽街道 (国道4号線) ,北羽前街道 (国道 47号線) ,石巻別街道 (国道 108号線) ,中羽前街道 (国道 347号線) が集まるところで,江戸時代には宿場町,市場町として繁栄。江合川 (荒雄川) ,鳴瀬川,多田川流域に沖積平野が広がり,耕地の大部分が水田。良質の米を産する。養豚も普及している。電機部品,飼料,コンクリート工業などが発達。北部の築館丘陵南端にある化女沼 (けじょぬま) 近くに,古代の大規模な城柵跡である宮沢遺跡 (国指定史跡) がある。

古川
ふるかわ

岐阜県北部,宮川の中流域の古川盆地にある地域。旧町名。 1889年町制。 1956年小鷹利,細江の2村と合体。 2004年2月神岡町,河合村,宮川村と合併して飛騨市となる。中心集落は越中東街道 (国道 41号線) と越中西街道 (国道 360号線) との分岐点にあり古くからの交通の要地。山林が広く,古川盆地で米作が行なわれ,木材とその関連工業が発達。気多 (けた) 若宮神社例祭の「起し太鼓」は勇壮な祭行事として知られ,重要無形民俗文化財に指定されている。国道 41号線沿いにスキー場があり,一帯は奥飛騨数河流葉県立自然公園に属する。 JR高山本線が通る。

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改訂新版 世界大百科事典 「古川」の意味・わかりやすい解説

古川(宮城) (ふるかわ)


古川(岐阜) (ふるかわ)

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デジタル大辞泉プラス 「古川」の解説

古川

吉永達彦による短編小説および同作を表題作とする小説集。2001年、第8回日本ホラー小説大賞にて短編賞受賞。同年短編「冥(くら)い沼」と併せ刊行。

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