親指ピアノ(読み)おやゆびピアノ

百科事典マイペディア 「親指ピアノ」の意味・わかりやすい解説

親指ピアノ【おやゆびピアノ】

サハラ以南のアフリカラテン・アメリカにみられる摘奏体鳴楽器。ヨーロッパの名称。ラメラフォンとも。アフリカでの一般的な名称には,ムビラmbila/mbira,カリンバkalimba,リケンベlikembe,サンザsanza,キサーンジkisanjiなどがある。基本構造は,金属か竹もしくは他の植物製の一組の細長い舌状薄片を調律し,一方の端が自由に振動するように,箱や瓢箪の共鳴体ないし平板に取り付けたものである。舌の先端を両手親指や人差し指ではじいて音を出す。舌の根元に金輪をゆるく取り付けたり,共鳴体や平板に貝殻や金属の小片を取り付けてサワリ音を出す工夫をしたものが多い。おもに1人で楽しむためのものだが,合奏する場合もある。
→関連項目サンザマリンバムビラ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の親指ピアノの言及

【サンザ】より

… サンザの名称はコンゴ民主共和国の一地方の呼び名で,ほかにムビラmbira,カリンバkalimba,リケンベlikembeなど,地域によって,楽器の形態によってさまざまな呼称がある。欧米ではこれを〈親指ピアノthumb piano〉の通称で呼ぶことが一般化している。 19世紀にサンザはラテン・アメリカへもたらされて,カリブ海の黒人の音楽に用いられるようになった。…

※「親指ピアノ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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