計・量・測・図・謀・諮(読み)はかる

精選版 日本国語大辞典 「計・量・測・図・謀・諮」の意味・読み・例文・類語

はか・る【計・量・測・図・謀・諮】

〘他ラ五(四)〙
[一] (計・量・測) 物の数量、または時間の度合を一定の単位と比較して確かめる。秤、枡(ます)、ものさし、時計などの計器で測定する。計量、計算する。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「外道は丈尺を以て計(ハカリ)しかども、知ること能はず」
平家(13C前)七「たとへば嬰児の貝をもって巨海を量り」
[二] (図・諮・議) 相談する。協議する。自分の意見を人にただす。
※霊異記(810‐824)上「時に市人評(ハカリ)て曰はく、其の篋を開く可しといふ。〈興福寺本訓釈 評 波加利天〉」
[三] みずから考えたり推察したりする。
① 思いめぐらす。考慮する。分別する。
書紀(720)神代上(兼夏本訓)「故、思兼神、深く謀(はかり)遠く慮(たはか)り」
② おしはかる。推察する。予想する。想像する。
※土左(935頃)承平五年二月四日「このかぢとりは、日もえはからぬかたゐなりけり」
浄瑠璃・鎌田兵衛名所盃(1711頃)下「はかりがたきは人心
③ うかがいみる。見はからう。配慮する。
打聞集(1134頃)龍樹菩薩隠形事「其後に人まをはかりて龍樹菩薩は賢う宮の内をば迯(にげ)のがれ給て」
[四] (計・謀)
物事情況を考えて処置する。画策する。企てる。
※続日本後紀‐承和九年(842)七月戊午・宣命「国家を傾亡むと謀(はかレ)り」
② 欺く。だます。たばかる。また、まどわす。
※土左(935頃)承平五年一月一八日「立つ波を雪か花かと吹く風ぞよせつつ人をはかるべらなる」
徒然草(1331頃)一九四「或人の、世に虚言を構へ出して、人をはかる事あらんに」
[補注]「はか」は「はか」(目あて・あてど・仕事の進度)「刈りばか」(刈り取る分担の範囲・量)「はかどる」「はかばかし」「はかなし」等と同根で、「そこはかと(なし)」とも同根とする説もある。

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