誕生寺(千葉県)(読み)たんじょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「誕生寺(千葉県)」の意味・わかりやすい解説

誕生寺(千葉県)
たんじょうじ

千葉県鴨川(かもがわ)市にある日蓮(にちれん)宗の寺。小湊山と号する。本尊は十界本尊。日蓮生誕の地に建てられた寺で、日蓮宗霊跡寺院の一つ。1276年(建治2)日蓮在世中、弟子寂日坊日家(じゃくにちぼうにっけ)、興津(おきつ)城主佐久間重貞(さくましげさだ)の外護(げご)により創建。1498年(明応7)津波のため流失し土地は海没(現在地の南西約300メートルの海中、蓮華潭(れんげたん)の地といわれる)、妙(鯛)ノ浦(たいのうら)に移転再建された。一時、不受不施(ふじゅふせ)派に属したが、受不施にかわり、寺領70石を給せられた。1703年(元禄16)ふたたび津波のため流出、徳川光圀(みつくに)の外護により宝永(ほうえい)年間(1704~11)現在地に建設された。その後、火災にあったが再建され、現在に至っている。祖師堂、本堂、竜王堂、誕生堂、太田堂などがあり、4月15、16日に千部読誦会(どくじゅえ)、2月16日に宗祖御降誕会、11月12日に御会式(おえしき)などが行われる。なお、寺の前はタイの群棲(ぐんせい)する鯛ノ浦。

[田村晃祐]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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