改訂新版 世界大百科事典 「読音統一会」の意味・わかりやすい解説
読音統一会 (どくおんとういつかい)
Dú yīn tǒng yī huì
中華民国教育部が招集して国語統一を審議した会議。1913年2月から5月にかけて開かれた。最大の難物に全力を集中しようと,名称のとおり,発音だけを扱ったが,〈国語〉の根本的基礎を確定したといえる。そもそも漢字の音を示すには伝統的に反切(はんせつ)が用いられていたが,これは必ずしも一般大衆にとって習得は容易でなかった。そこで大衆がたやすく文字学習できるよう比較的常用する6500余の文字を選んで,各省1票という投票形式をとり,その共通の発音を決定した。そのうえで39個の注音字母(ちゆういんじぼ)を制定し,その講習所を設けることや,初等小学の国文科を国語科に改めることなどを決議した。しかし,決議は実行されず,注音字母の公認は18年11月になった。
執筆者:萩野 脩二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報