注音字母(読み)ちゅういんじぼ(英語表記)Zhù yīn zì mǔ

精選版 日本国語大辞典 「注音字母」の意味・読み・例文・類語

ちゅういん‐じぼ【注音字母】

ちゅうおん‐じぼ【注音字母】

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改訂新版 世界大百科事典 「注音字母」の意味・わかりやすい解説

注音字母 (ちゅういんじぼ)
Zhù yīn zì mǔ

中国語の発音を表す,いわばアルファベット。1912年(民国1),教育部(日本の文部省に相当)は,注音字母すなわち漢字の音を示すための字母を採用することに決定。1913年,読音統一会成立,漢字の読音を各省一票の投票で決定した後,字母を定め,これを漢字のルビとして使用することにした。教育部より公布されたのは18年になってからである。20年の改定によって,注音字母は40となった。北京音が標準とされてからは,そのうち万兀广の三つは方音に対してのみ用いられる。表には上記の3字を除き残り37を示す。字母は,主にきわめて簡単な楷書の文字から採用されており,章炳麟の提案と一致するものが多い。〈注音符号〉とも呼ばれる。
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世界大百科事典(旧版)内の注音字母の言及

【簡体字】より

… 前者,一般名詞としての簡体字は,漢字発展の歴史そのものが,概していえば前の時代の正字体をつぎつぎに簡略化し,その簡略化したものをその時代の正字体として公認するという段取りの繰返しであったともいえるぐらいだから,まして社会運動としての〈文字改革〉ということになると,その中の非常に大きな部分が漢字のこの簡略化であり,それはローマ字の国字としての採用を目ざす運動と並んで,運動の最も重要な柱のうちの一本となることはきわめて自然のことであった。それ以外の,人造の新字をもって漢字に替えようという運動は結局は実らず,置きみやげとして漢字のルビとして今でもときに(台湾ではむしろ常に)使われる〈注音字母〉をのこすだけで終わった。ローマ字化運動にしても,少なくとも現在のところ,比較的近い将来において漢字にとってかわって,ローマ字が第1位の国字になりそうな気配はない。…

※「注音字母」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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