ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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「反音(はんおん)」「翻切(ほんせつ)」「切語(せつご)」などともいう。中国で、各字の字音を表示するために漢字二字の字音を組み合わせて示す方法。たとえば、「東」は反切「徳紅反」で示され、その上字(父字ともいう)「徳(tək)」の頭子音t-と、下字(母字ともいう)「紅(ɦoŋ平)」の韻および四声-oŋ平とを組み合わせて、帰字「東」の字音toŋ平を導くものである。中国において、反切によって字音が示されたもっとも古い例は、2世紀の服虔(ふくけん)・応劭(おうしょう)の『漢書注』とされ、それ以前は「東音凍」とか「東読若凍」のように、同音の漢字で示されていた。反切が発明されてからは便利なため、近年に至るまで主たる表音法として利用された。なお、唐代までは「何何反」が用いられ、宋(そう)代以後「何何切」と「切」字に改められた。日本でも、この反切が字音学習に大いに利用されたが、とくに五十音図が発明されてからは、それによって反切が行われるようになった。明覚(めいかく)の『反音作法』(1093)はその方法を詳論したものである。たとえば「蒙 莫紅反」において、「莫(マク)」の「マ」と「紅(コウ)」の「ウ」とを取り出して結合させるが、その際、子音を表す「マ」を、下字の音「コウ」の捨てたほうの仮名「コ」と五十音図で同韻となるマ行の「モ」に変換して、帰字「蒙」の音「モウ」を求める方法である。反切上字から単音(この例ではm-)を導き出すために、五十音図が巧妙に利用されたものである。なお、日本で利用された反切の三大典拠は顧野王撰(こやおうせん)『玉篇(ぎょくへん)』(梁(りょう)大同9年〈543〉ごろ)、陸法言(りくほうげん)等撰『切韻』(隋(ずい)仁寿元年〈601〉)、玄応(げんのう)撰『一切経音義』(唐貞観9年〈635〉~龍朔3年〈663〉の間)と考えられる。
[沼本克明]
『明覚著『反音作法』(『国語学大系 第四巻』所収・1936・厚生閣)』▽『小西甚一著『文鏡秘府論考 研究篇 上』(1948・大八洲出版)』▽『馬渕和夫著『日本韻学史の研究』全三巻(1962~65・日本学術振興会)』
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…後漢になって経典の研究が進むにつれ,語の解釈を音の同一ないし近似に求めるという試みが行われたが,それは音の分析についてはまだはなはだ不完全であった。やがて音節構造の分析が進んで,反切という表音技術が発明された。これはある語の音節構造を表すのに,その語の頭子音と同じ頭子音をもつ他の常用文字と,その語の韻と同じ韻をもつ他の常用文字の2文字の組合せでその語の音韻を表したものである。…
…Iを声母(声類),MVF/Tを韻母(韻類)と呼ぶ。 韻書では声母と韻母の組合せで音を示す〈反切(ハンセツ)〉が伝統的である。東/tʌu1/を徳/tʌk(4)/紅/ɣʌu
1/の反(ハン),すなわちt+ʌu
1=tʌu
1とする等である。…
※「反切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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