発生学上の用語で、卵割初期の胚(はい)の割球を分離したときに、各割球がほぼ完全な後期胚を形成するような動物の卵をいう。調整卵ともいい、モザイク卵と対立する語。腔腸(こうちょう)動物、棘皮(きょくひ)動物、脊椎(せきつい)動物などの卵が相当し、各割球が自己の材料だけで調節的に胚形成を行うことからこの名がある。これに対して、クシクラゲ類、線虫類、環形動物、節足動物、軟体動物、ホヤ類などのモザイク卵では、初期胚は、発生運命が厳密に決定された割球がモザイク的に集合したものであるために、分離された各割球はその発生運命に従って分化すると考えられる。しかし実際は、調節卵でもある程度発生が進行すると各割球の調節能力は低下し、モザイク卵的になる。したがって、発生の初期に調節能力が高いものを調節卵、低いものをモザイク卵とよぶと考えるほうが適当である。
[八杉貞雄]
…多細胞動物において,卵(らん)または胚の各部の発生運命が発生のごく初期から決められているため,胚の一部を殺したり除去したりすると,その部位に応じて一定の組織や器官の欠落した個体が作られるような性質をもった卵のことをいう。これに対し卵や胚の一部をとり除いたり,初期卵割期の割球を単離して発生させたりした場合にも形態的には正常,あるいはそれに近い形の個体を生ずるような卵を調節卵regulation egg(または調整卵)と呼ぶ。モザイク卵は,主としてクシクラゲ類やらせん卵割をする先口動物,ホヤ類などに広くみられ,調節卵は腔腸動物,棘皮動物,半索動物,脊椎動物などに一般的にみられる。…
※「調節卵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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