謄写ファクシミリ(読み)とうしゃファクシミリ(その他表記)mimeograph facsimile

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「謄写ファクシミリ」の意味・わかりやすい解説

謄写ファクシミリ
とうしゃファクシミリ
mimeograph facsimile

模写電送一種で,受信した記録紙を謄写版の原紙として,多数の複写をとることができる。一般事務用のほか,新聞社でニュース速報用の簡易号外発行機として利用していた。原稿文書や線画ででき,送信機は一般の模写電送とまったく同じであるが,受信機の記録装置に特色がある。記録紙は,塩化ビニルまたは薄い紙にカーボンブラックを混ぜて,適当な導電性をもたせた謄写原紙を基紙の上に接着させたもので,黒い層の表面には白色顔料を塗付してある。受信信号電圧によって,放電破壊現象を起し,記録針の接触した部分の白色膜が除かれて,文字や写真が現れ,同時に,原紙は穿孔作用によって,送信原稿どおりの穴ができる。この記録紙をそのまま謄写輪転機などにセットして印刷する。

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