譲渡可能定期預金証書(読み)じょうとかのうていきよきんしょうしょ(英語表記)negotiable time certificates of deposits; CD

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「譲渡可能定期預金証書」の意味・わかりやすい解説

譲渡可能定期預金証書
じょうとかのうていきよきんしょうしょ
negotiable time certificates of deposits; CD

アメリカの連邦準備銀行加盟の商業銀行が発行する譲渡可能な証書式定期預金証書の一種。譲渡可能であることから,期限到来以前の証書を売買する市場が広く存在する。古くから存在したが流通市場が未発達のため流布しなかった。のちに政府証券のディーラーが銀行が署名した証書を売りさばいたり,取引市場の育成に努め,また 1960年代に入って大企業,個人,海外の政府・中央銀行などの一時的余裕資金吸収のため,銀行が高額面の CD発行に踏切り,急速に発展した。そして財務省証券 TB,コマーシャル・ペーパーとともにニューヨーク短期金融市場を構成している。特に 1970年には額面 10万ドル以上,期間3ヵ月以内の CDに対して金利が自由化され,企業などの余裕資金運用に利用されるなど一層発展をとげた。性格は短期の金融債に似ている。日本においても 79年5月に金利自由化の促進や短期金融市場の整備,銀行業務拡大を目的として導入された。当初 CDの発行条件はきびしく制限されていたが金利の自由化によって順次緩和されてきている。

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世界大百科事典(旧版)内の譲渡可能定期預金証書の言及

【CD】より

…negotiable certificate of depositの略。譲渡が可能な預金で,かつては譲渡可能定期預金証書と訳されていたが,現在は一般に譲渡性預金と訳される。銀行関係者の間ではキャッシュ・ディスペンサー(CD)と区別してNCDの略語が一般に使われる。…

※「譲渡可能定期預金証書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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