谷和村（読み）たにわむら

日本歴史地名大系

谷和村
たにわむら

• 広島県：大竹市
• 谷和村

[現在地名]大竹市栗谷（くりたに）町谷和

権現（ごんげん）山東南の谷間に開けた山間の村。中央を南流する谷川沿いに田畑や人家が展開する。「国郡志下調書出帳」に「当村名往古谷輪と申、中古より谷和と相改候由申伝候得共、年間相知不申、右谷和と申ハ元亨・正中之頃と□、藤井与十郎・種守藤左衛門と申仁、当時本郷より五丁程隔下杭ケ原と申所へ来り、柴之庵を結び居住候処、（中略）杣木地屋抔招き寄伐払せ当郷開発、追々家も出来、薪をひさき炭を焼海辺持出し渡世となし田畑を開き候」とある。

元和五年（一六一九）の安芸国知行帳に「たにわ村」とみえ、高九〇石余。前記書出帳は「作物者稲作を主と致し、其外畠作尚麦作等仕候得共、寒風烈敷所故到而取実無数、依而農業斗之もの無御座、紙漉山稼駄賃儲等を以渡世仕、打ち概三歩方百姓、七歩方紙漉炭焼駄賃等を以渡世相凌」と記し、家数二九、ほかに蔵一軒、牛屋一五軒、木納屋八軒があり、人数一〇四（うち紙漉一三）、牛一五疋。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」