谷田貝村(読み)やたがいむら

日本歴史地名大系 「谷田貝村」の解説

谷田貝村
やたがいむら

[現在地名]二宮町久下田くげた久下田西くげたにし

石島いしじま村の南西、平坦台地上に位置し、西は上・下の大曾おおぞ村、東は常陸真壁まかべ樋口ひぐち(現茨城県下館市)。下総結城から那須郡烏山からすやま城下へ向かう南北路が通る。明応五年(一四九六)の奥書をもつ十如是義案立(滋賀県西教寺正教蔵)にみえる「下野久下田」は当地のことと思われ、談所があった。天文一四年(一五四五)四月宇都宮俊綱は、前年水谷正村(蟠竜斎)によって殺された中村なかむら(現真岡市)城主中村玄角の子時長を先鋒として、常陸・下野国境の久下田表で水谷勢と戦ったが敗れている(遍照寺古寺誌)。「久下田町郷土誌」などによれば、戦国後期、水谷正村は当地の東端築城、付近に散在する民家を城下に集中させ、常陸国に属する樋口の集落と合せ城下町を形成、当地も常陸国真壁郡に属したが、のち樋口と分離、芳賀郡に復したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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