財部村(読み)たからむら

日本歴史地名大系 「財部村」の解説

財部村
たからむら

[現在地名]御坊市湯川ゆかわ町財部

日高平野のほぼ中心、その浦・しま村の北に位置する。日高平野の中で最も早くから開かれた地で、天平宝字五年(七六一)木簡に「財郷」、「和名抄」に日高郡財部郷がみえ、平安時代には石清水いわしみず八幡宮領薗財そのたから庄が成立した。

水田地帯で、慶長検地高目録に「財村」とあり、高一千七五石余。延宝六年(一六七八)の「日高鑑」では村高一千一七四石余、町数九〇町四反余、家数一二三で内訳は本役三八・半役三〇・無役三五・神主一・社僧一・桶屋三・年寄五・庄屋一ほか、人数四五三、牛四五、馬一四、舟二、御蔵三、床銀四匁、二夫米二三石余とされる。天田組に属した。承応二年(一六五三)の領地替で和歌山藩新宮領となったが(新宮藩御勘定方旧記「和歌山県史」所収)、「日高鑑」によると、そのうち小名古新田こしんでんの高九九石余は和歌山藩蔵入地。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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