貿易保険制度(読み)ぼうえきほけんせいど(英語表記)international trade credit insurance

知恵蔵 「貿易保険制度」の解説

貿易保険制度

貿易商品の輸送途中の危険(海難火災など)は民間海上保険によってカバーされるが、輸出相手の倒産によって代金回収が不能になったり、貿易相手国政府外貨事情の悪化から外貨支払いを停止したり、戦争内乱等で決済ができなくなったりといった多様な危険については、事故発生確率の算定も困難であり、民間の保険会社ではカバーしきれない。これらについて日本では、政府が保険事業を行ってきた。これが貿易保険制度で、貿易一般保険、輸出手形保険、前払輸入保険、海外投資保険、海外事業資金貸付保険などがある。貿易保険制度は1950年に設立され、旧通産省が運営してきたが、2001年4月に独立行政法人日本貿易保険となった。05年には規制緩和に伴い民間損害保険会社の貿易保険参入が相次いでいる。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android