賃率(読み)ちんりつ(その他表記)wage rate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「賃率」の意味・わかりやすい解説

賃率
ちんりつ
wage rate

一定単位に対して定められた賃金額。賃金率ともいう。算定方法には、時間を単位とするものと、産出量を単位とするものとがあり、前者を時間賃率、後者を出来高賃率あるいは個数賃率という。単に賃率というときには、通例、時間賃率をさす。時間賃率は、単位時間のとり方によって、時間賃率(1時間当りが一般的)、日額賃率、月額賃率などの形態に分けられる。この賃率を賃金支払いの基礎的計算単位額として個々の労働者の実収賃金が決められる。時間賃率の場合、この賃率に労働時間を乗じて得られる額に、諸手当を加えたものが実収賃金となる。賃金決定が企業ごとに行われるわが国では、賃率という考え方は希薄であるが、欧米諸国では、賃率決定が賃金決定の基本をなす。

[横山寿一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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